青い瞳に魅入られて/テーマ:青

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「政宗様、その女をどうするおつもりですか?」 「俺が拾った物だ。どうするもしないも俺の自由だ」 瑠璃の存在をないもののように言い合いを始めてしまう二人だが、話を聞いていると、どうやら眼帯をつけた男はこの国の偉い人のようだ。 そして、先程から溜息がたえない男は、この政宗という男の家臣のようだ。 「珍しい物を集めることは構いませんが、この者は物ではなく人です」 「だからどうした。俺が拾ったのだから既に俺の物だ」 「人と物は違います!!」 次第に聞いているだけの瑠璃にも怒りが込み上げてくる。 だが今は、元の時代に戻ることが優先だと冷静に判断すると、瑠璃はその場から去ろうと口を開く。 「すみませんが、私はこれから用があるので失礼致します」 兎に角この場から一刻も早く離れようとするが、伸ばされた手に腕を掴まれ制止されてしまう。 「俺の物が勝手に何処へ行こうというのだ?」 「あのですね。ハッキリ言わせていただきますが、私は貴方の物ではありませんから!!」 「何を怒っている?この伊達 政宗の物になれるんだぞ。普通の女なら喜ぶところだ」 「はいはい。なら、私は普通の女じゃないんでしょうね。兎に角私は急いでいるので、手を放してもらえますか?」 自分が今すべきことは、元の時代に帰る方法を探すこと。 そして、何故自分がタイムスリップをしてしまったのかを思い出すことだ。 今こんなところで、足止めされるわけにはいかないというのに、何故か瑠璃の体はまた宙へと浮く。 「ますます気に入ったぞ女!やはりこの女は、俺の城に持って帰る。どんな説教も聞かんからな」 「政宗様!!」 小十郎の呼び掛けにも答えず、政宗は瑠璃を担いだまま、とある部屋へと着くと瑠璃を畳へと下ろした。 「ここは……」 「俺の部屋だ」 その言葉に身の危険を感じた瑠璃は政宗から距離を取る。 その瑠璃の姿に、政宗は声を上げ笑った。
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