密室の彼

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 そこで、蒼汰は、ん? と気づいたように言う。 「此処、猫が居るのか?」  クッションに、にゃーの毛が付いていたようだ。 「あ、すみません。  たぶん、この間、侑斗から預かっていた、にゃーの毛です。  猫の毛って、なかなか。  猫が居なくなっても、完全に猫の毛がなくなるまで、何年もかかるらしいですね」 「なんだ、此処に居るんじゃないのか」 と蒼汰は、つまらなさそうに言い、凛子から手を離した。
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