4484人が本棚に入れています
本棚に追加
/910ページ
「居たら、もう出てきてますよ。
猫、好きなんですか?」
「だって、可愛いじゃないか」
とだけ蒼汰は言う。
単純明快だな、と思った。
「私も猫好きです。
犬も好きですが。
猫は昔飼ってたので。
今でも、時折、にゃーのとは違う毛が何処からともなく出てきて、寂しくなるんですよね」
「……死んだのか?」
「違います。
お母さんたちが連れてっちゃったんですーっ。
猫は家につくって言うのに~っ」
と言うと、蒼汰は笑う。
「それならよかった」
と言って。
まあ、会ったことなくても、話の上だけでも、猫に死なれるのは嫌だからな、と凛子も思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!