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そういえば、あのエレベーターの人も、霊ってことは、死んでるんだよな、とちょっと思った。
「猫好きなら、今度、にゃーが来てるときに来ますか?」
と言うと、蒼汰は、
「あいつの猫だろうが」
と嫌な顔をする。
「まだ仔猫で、めちゃくちゃ可愛いですよ。
こう、まん丸な目で、じっと私を見つめるんですっ。
猫パンチとかされたら、卒倒しそうになります」
そのあとも、猫の話をしばらくしていたのだが、蒼汰がそろそろ帰ると言い出した。
「あのっ、お弁当もご馳走になっちゃってすみませんでした。
今度は私が奢りますね」
と玄関扉を開けた蒼汰に言うと、彼は振り返り、笑って言った。
「それはデートのお誘いか」
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