終章 密室の中で……

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「じょ……」 「成仏はしないよ」 と言葉をさえぎるように言われた。 「んー。  じゃあ、僕に憑かない?」 と言うと、陸人は、は? という顔をする。 「君が憑いてたら、気を許すだろ、凛子ちゃん」 「……悪霊より警戒されるってどうなのさ、あんた」  そう呆れたように言ってくる。 「いや、だから、君が入って、こう、無邪気な感じに振る舞ってくれたらいいかなって」 「今度はそれで凛子ちゃんを安心させて、また、ホテルに連れ込もうっての?  どんな策士だよ。  しかも、絶対、策に溺れるね」 「いや、今度は、ホテルより、僕の部屋がいいな」 と大真面目に語り、陸人に、更に呆れられた。
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