終章 密室の中で……

11/43
前へ
/910ページ
次へ
「いいねえ、時間のある人は呑気で」 「なんで?  霊の方が時間あるでしょ。  それとも、やっぱり成仏する気なの?」 「ないけど。  僕にもこの世界のことはよくわからないから、知らない間に、はい、貴方が生まれ変わる順番ですよって、祟ってる最中に引っ張っていかれるかもしれないじゃない」  呪っている最中に、閻魔大王みたいなのに、肩をつかまれ、引っ張っていかれる彼をリアルに想像し、思わず、笑ってしまった。 「面白いね、君」 と言うと、 「あんたの方が面白いよ」 と言われた。 「そうだ、ねえ。  凛子ちゃんの方に、そっと憑いてみたら?」  そう弥は提案する。  なんで? と問う陸人に、 「男に憑いてても面白くないじゃない」 と言った。
/910ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4514人が本棚に入れています
本棚に追加