4514人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいねえ、時間のある人は呑気で」
「なんで?
霊の方が時間あるでしょ。
それとも、やっぱり成仏する気なの?」
「ないけど。
僕にもこの世界のことはよくわからないから、知らない間に、はい、貴方が生まれ変わる順番ですよって、祟ってる最中に引っ張っていかれるかもしれないじゃない」
呪っている最中に、閻魔大王みたいなのに、肩をつかまれ、引っ張っていかれる彼をリアルに想像し、思わず、笑ってしまった。
「面白いね、君」
と言うと、
「あんたの方が面白いよ」
と言われた。
「そうだ、ねえ。
凛子ちゃんの方に、そっと憑いてみたら?」
そう弥は提案する。
なんで? と問う陸人に、
「男に憑いてても面白くないじゃない」
と言った。
最初のコメントを投稿しよう!