密室の恋人

終章 密室の中で……

「それにしても、今、此処に乗ってくるなんて無謀だね。
　僕はあんたのことも邪魔だったんだよ。

　凛子ちゃんがあんたにやさしいから」

「そうなんだ。
　君にそんな風に脅威に感じられるなんて、なんだか光栄だね」
と弥は笑った。

「あれ？」
と陸人は言い、エレベーターの壁から背を起こした。

　そして笑う。

「連打してる」

「なにを」

「凛子ちゃんがボタンを。
　勘がいいよね」

　えっ？　と扉を見た。