終章 密室の中で……

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「じゃあ、また。  話せて楽しかったよ」 と陸人は消えてしまう。  一瞬、陸人の顔が見えた気がしたが。  ……今、彼が生きて凛子ちゃんの側に居なくてよかった、と思ってしまった。  扉はすぐに開いた。  外でボタンを連打していたらしい凛子が、あっ、という顔で見る。 「やっぱり、上村さん」  なにか妙な気配がしたので、やってきたと言う。 「凛子ちゃん、ありがとう」 と弥はエレベーターから降りながら抱きつく。  ひゃっ、と凛子は猫の子のような悲鳴を上げた。
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