プロローグ 還らずの地下迷宮

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汗でベタつく頬を手で拭う。 この地下迷宮(ダンジョン)に潜りどのくらい経っただろうか。 暗い通路を松明の火を頼りに進む。 「なんか、暑くない?」 俺の後ろを歩くミアが気だるげに呟く。 確かに、迷宮の奥に進む程熱さが増している。 俺には、耐熱スキルがあるため苦にはならない。 しかし、他のパーティメンバーは相当堪えているようだった。 耐熱スキルがある俺でさえ、多少の暑さを感じてるんだ。他の奴等は俺が感じてる暑さ以上の暑さを体感しているのだろう。 「この先に、熱を発する何かが居るのでしょう」 「何かって、何よ?」 「それは判りません。 ですが、行けば判る事でしょう」 ジークの言うとおり、行って確める他はない。 魔物共も上層よりも強くなっている。気を引き締めて行かなくては。
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