第1話 事件現場

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第1話 事件現場

「そうだ。レイプしよう」 「待てこら、杏奈!! そんな危ないことをちょっと京都に行こうみたいに軽く言うな!」 「え? だって私をレイプしたのは誰?」 「いや、それは、あの、お前だって、望んで、その、あれだ。ほら」 「私が望んでいたって、そのときは慶介さんは知らなかったでしょ?」 「はい、すみません」  口ではこいつに勝てないことはわかっている。だからここは大人しく引き下がる、いつものヘタレな俺だ。だが、それとこれとは少し……ではない、大きく違うだろう。 「いいのよ、私は幸せだから。慶介さん」  えへっ ←いいのか俺? 「だけど、これはいい手だと思ったのよ」  杏奈がいきなりこんな過激なことを言い出したのにはわけがある。  あれから4年。杏奈は現在18才。高校を中退して女優になった。そして俺は24才。大学3年生になった。  ……多少計算にズレがあるようだが、気にしないように。  今日は杏奈が休みを取ったので、ふたりで地元の縁日に遊びにきている。すでに有名人である杏奈を連れ回すのは問題があると思うのだが、杏奈は意に介していない。 「今さら隠すようなキャラじゃないから大丈夫」     
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