恭賀Side後編 2話:ベビーシッター雇いました

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「うれしい?」 「はい! 昨日の夕飯の残りを使ったり、今日の夕飯の下準備も一緒にできるので」 「あ、そう……」 「じゃあ、何を作ろうかな~」 こういう時、なんて言えばいいのだろう。 「……困った」 全然、陽気なお兄さんなんかじゃない。 ありがとう? それとも、お願いします? 彼女を眩しいと思う感情の名前を、俺は知らない。知らないけど…… 「小松菜? いいですねー。おひたしも入れましょうね」 俺は腰に手をあてて、息をつく。 この瞬間が続くのは悪くないかな。夏月ちゃんが乗り気だからよしとしよう。 翌日。コンビニに立ち寄った俺は、いつものように弁当コーナー……には目もくれず、軽く埃が被った文房具のノートを手にした。 レジの店員が少しだけ不思議そうな顔をしていた気がする。よく行くコンビニだ。顔を覚えられていたのかもしれない。 「いつがいいかなー。給料日」 自動ドアを通ると同時に前髪を崩す。 明日から、どこで眞野に変わろうか。
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