恭賀Side後編 3話:誕生日プレゼント

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「あげたらって考えてるうちは何も浮かばないだろうな。貰ってうれしい気持ちだろ」 大切なのは? コーヒーの苦さに加え、指摘を受けた俺は露骨に口を曲げた。 「うわー、まんま夏月ちゃんが言いそう」 だったら俺は、はるが百歳になってもはるを喜ばせてやれないな。俺が貰ってうれしかった物なんてありやしないのだから。 「磯野さん?」 「あれ? ご不満?」 眞野恭賀が俺と知って距離を取った夏月ちゃんを思い出して、思わず口元が緩む。 俺も大概、大人気ないねぇ…… いちいち夏月ちゃんが感情を晒してくれるから、面白くてついからかってしまう。 「……キョン。大丈夫か?」 「え?」 目尻に浮かんだ涙を拭う。 「いや」 その様子を見ていたクマさんは、厳つい顔にさらに目力を加えた。そして、半分程残ったコーヒーがあるにも関わらず、グラスのお冷を飲み干し、氷を噛み砕いた。 「すみません。水を……ピッチャーごと借りれますか?」
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