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跳動する魔像の間を一陣の風の如くすり抜け、彼は身を翻す。
二体の像も同じくらい俊敏に反転し、一際全身の輝きを激しくした。
魔導の兆候だった。
獅子の口から、咆哮のように蒼い焔の激流が吐き出される。
そして、高く跳び上がった天馬の翼からは、耀きのつぶてが降り注ぐ。
(原始的であるにせよ……魔術を使うのか!)
ユージーンはゴーレムとの差に舌を巻きながら、すぐさま剣を持たない左手を前方に差し出す。
北天の星々の配置を線で結んだ図の魔法陣が中空に白く浮かび上がり、彼の前方と上部に半球形の障壁が形成された。
迫りくる蒼い耀きは、それに触れないうちに減耗し消失する。
焔が止むと、彼はすかさず魔法陣を消し、新たに微小の八芒星を浮かび上がらせる。
虹彩の真上だ。
(奴らの核は――)
ユージーンの双眸が夜の系譜の魔力により、蒼く煌々と輝く。
明暗と彩の有無のみを見分ける視覚が、魔力の流れを読み取る回路を一時的に上書きされ、如何なる魔性をも暴き立てる神眼と化す。
リビングカービングは血肉を纏う生き物とは違う。心の臓が胸に収まっているとは限らない。
しかし、無機質の身体を動かす魂ならば、何処かに必ず存在する。
(獅子の頭をしたものは右上腕部……鷲頭は、背の左寄りか!)
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