河川敷と待ちぼうけ

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せめてこの暑さを紛らわせればまだ良いのだが、どうにかならないものかと思考を巡らせていくうちに、俺はこの状況を打開するある考えへと至った、それは… 「本当に世界は暑いのか?」 今感じている肌の痛みは本当に暑さからくるものなのだろうか? 炎天下に晒され無慈悲な熱波に肌を焼かれる痛み、ジリジリと肉が捻じれるようなこの痛み、そして、寒空の下で無機質な寒気をはらむ大気がまるで針の様に突き刺さり、抉られるようなあの痛み、これらはある種近しい物なのではなかろうか? 焼かれている、と自分で言っておいて何故寒いという結論に至ったのか、それはそう、冷凍庫内に放置された肉が焼けてしまった、と言うだろう? 冷凍された肉が実際焼けているのかどうかはこの際問題ではない、そういう言葉が確かに存在している、ということが大事なのだ、つまり何が言いたいのかというと。
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