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「勇者ー★☆★」
ー わんわんわーん♪
「勇者 今日も元気やな♪ よしよし」
ぼくの名前は 勇者。
大好きなヒロが ぼくにそう名付けてくれた!
「散歩行こか」
ー わん♪
ぼくは 生まれてすぐに捨てられた。
ぼくだけが…
そんなぼくを 助けてくれたのが ヒロなんだ。
ウ゛ーワンワンワンワン!!!
「うわぁ!?」
あ! ヒロが隣の犬に!!!
ーわんわんわん!!!
…プイ
あいつー いつもいつも ぼくを鼻で笑って去って行くんだ!
「勇者、お前 ヨークシャーテリアなんやで」
いつもヒロはそぉゆぅんだ…。
「ブルドックには勝てへんよ♪」
いつもヒロはそぉゆぅんだ…。
でも ヒロは…ぼくに言ったじゃないか!!!
名前を付けてくれた時。
“お前を助けたヒーローの友 勇者よ…強くなれ”
捨てられたから何なんだ!小型犬だからって何なんだ!
強さは生い立ちや見た目では決まらないんだって!
言ったじゃないか………ヒロ…。
強くなりたい…。
「帰ろ」
ーくーん…。
ぼくは…ヒロを守りたい。
助けてくれたヒロを ぼくがいつか助けたい。
なのに…
ぼくはブルドックにすら 鼻で笑われてしまう…。
お星さま…ぼく。強くなりたい。
ある日ー。
ジリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
な、何の音!?
いきなり大きな音が響き渡った。
火事だ!火事よ! 誰か助けて!!!
外から色んな声が聞こえてきた
助けてって言ってる!
ヒロ!!!
ぼくはヒロの部屋に向かった。
え……………ヒ、ロ…
ヒロの部屋に…ぼくは行けなくなっていた…。
熱い…ヒロ、ヒロヒロヒロヒロヒロ!!!!!
ーわんわん!!! わんわん!!! わんわんわんわん!!!
ゴホ、ゴホ…
ヒロ!!!
ーわんわんわんわんわんわん!!!
「ゅ、ぅしゃ…逃げろ」
逃げない! ヒロ! ぼくは逃げないよ!!!
逃げないけど…ヒロを…助けてあげられない…
ーわぉーん…
ヒロとずっと一緒が良い!!!
そう強く思った…瞬間
…ぇ? ええええええええええええ!?
いつもよりも視線が高い…ぼく…ぇ、ヒロと同じ形の手…え!?
ゴー
火が!!! 考えてる暇はない ヒロ!!!
ぼくはヒロの部屋の扉を突き破った。
ゴホ ゴホ…ゴホ
ーヒロ! もぉ大丈夫だよ
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