ファンタジーラボ

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 「あなたは......」  「ワシは歴史の研究をしてる、小和泉と言うものです。あんたの話はまるでベルニアンと話しとるようで、年甲斐もなく胸が踊ります」  ベルニアンはフランス人作家ジューヌ・ベルヌの"海底2万マイル"や"地底探険"そして、月面旅行に"宝島"が実在すると信じる読者のこと。 作中に登場した大王イカは目撃例が出ており、グーグルマップも存在を認めている。月面旅行は著者の没後にアポロ11号が実現した。  「何時から、私の話を?」  「天孫降臨について発表した時からですよ。特に江戸川乱歩の"人間椅子"を製造した人間が実在したと知り信じてみる気になったんです」  皮肉なことに、その人物はエド・ゲインと言う名の高名な犯罪者だが。殺害した人間の体で家具を製造する趣味があり、その中に椅子があることも確認がとれている。 エド・ゲインがその際に使用した釜は、博物館に展示されてある。  「そうですか」  「チャイルドプレイの人形や、コンジュリングのアナベル人形が実在し、実物が今もあるというのも興味深かったです。年寄りには刺激が強すぎますが」  「中でも色々お話ししましょう。喫茶スペースもありますし」  孝子はその後も、エルム街の悪夢のフレディ・クルーガーの正体は、中国のモン族が戦争のストレスでかかったプルガタ症候群であることなどを話しながら小和泉をラボに誘導する。
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