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「うわぁ、これがアースドラゴンかぁっ!」
広々としたラボのロビーでは、犬歯がびっしりと並んだ口を開けたアースドラゴンの全身骨格が治喜と孝美たちを出迎えた。
「"大昔の勇者パーティーは、全長5メートル体重およそ3トンのアースドラゴンを狩って生活をしていました。堅い鱗は鎧に、また牙や爪は刀剣などの武器として加工されました。ダンジョンに棲みゴブリンやホブゴブリンといった小型のモンスターを主食にしていました"か、すごいや」
治喜はアースドラゴンの概要を読みあげながら、素直に驚いた。
「こっちにはドラゴンの牙や爪で作った武器があるわ。すごく強そう」
孝美はファンタジーアイテムが展示されたコーナーで目を輝かせた。
「ドラゴンの牙は骨密度が非常に高いエナメル質だから、ダイヤモンドより硬く鉄より軽いから金属の武具より重宝されたのよ。歯もたくさんあるからゴブリンの頭がい骨なんておせんべいみたいにバリバリ食べれたのよ」
「そうなんだ」
「アースドラゴンから、サーペントやワイバーンに進化したとも考えられるわ」
孝子はアースドラゴンの全身骨格の向かいにある巨大なナマズのような骨格を指さしてそう言った。
「あのナマズみたいのがシーサーペント?」
「そう、尾鰭の一発で船を粉々にすると言われてるの。筋力はクジラの10倍で泳ぐスピードは海豚の倍はあるからね。でも竜玉と呼ばれる卵は高級食材にされたり、丈夫な眼球は水晶として加工されていたそうよ」
「DHAが豊富だから?」
「多分、マグロの目玉百個分かな。サイズから。形から考えるとコラーゲンも豊富そう」
「へえ、よく集めてこれたもんだ。スミソニアンが放っておかんだろうな? で、このガラクタの箱はなんなんだ?」
柳沢は製法型の錆びた箱に手をかけた。
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