ファンタジーラボ

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 「じゃあ次はファンタジー世界で、どのようなアイテムが流通していたか見てみましょう」  続いて、孝子はよろず屋の商品が展示されたブースに柳沢たちを案内した。  「これ、刺身のパックでイカが乗ってる奴に似てるけど、薬草?」  孝美は薬草を指さしてそう言った。  「そう、よろず屋の税込み価格が5Gだから、ファンタジー世界ではたくさんの薬草の種類が自生していたと考えられるわ。セージとかローリエに、アロエにヨモギ。ほらヨモギやアロエって傷口に塗ると治りやすくなるって聞いたことない?」  「そう言えば、昔はくわの葉は解熱剤として使われていたな。漆を飲めば体の毒素を全部吐き出す解毒剤になるとも」  小和泉は頷きながらも、驚きを隠せなかった。  「わたしたちの知恵は、ファンタジー世界のものを色濃く受け継いでいるとも考えられます。よろず屋は武器に衣類に衣料品が一色単に売られていました。これは現代で言うコンビニの販売方式ととても良く似ています」  「まさか、大昔からコンビニが地球にあったなんてぶっ飛び過ぎだ」  ミミックは信じても、さすがにコンビニは疑わしかったのか柳沢は嘲笑する。  「お姉さん、質問。どうして薬草は5Gなの?」  孝美が訊ねた。  「たくさん売れるものは安く、あまり売れないものは高く売るのが、昔からの商人さんの知恵なのよ。だからたくさん売れるハーブは5Gで多く買ってもらえるの」
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