午前十一時

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金持ちの子弟が集まる優雅な大学を出た僕は、コネを最大限に生かしておじさんが営業推進部長を務める会社に就職した。 大手メーカーの広報部印刷物担当。言われた通りに印刷物を発注するだけの仕事。間違えても取引先の営業が指摘してくれるから安心だ。 だから、今僕がここにいられるのもおじさんのお陰で、おじさんがこの会社の部長でなかったら僕はどこにも就職なんかできなかったし、こうして…… そんな事を考えていると、後ろから手が回ってきて、ちょっと触られるだけで反応するように仕立て上げられた胸の突起の先を撫でるように掠められた。 触り心地確認するように微かに触れられていると鼻から抜けるような喘ぎ声が漏れる。 「んふっ!……んん、ふっ」 もうそれ以上されると、何も考えられなくなる。 いやいやするように首を振るけれど、僕の腰は勝手に揺れていて、壁についた手が今にも崩れそうな位身体に力が入らない。 息が荒くなるけど、鼻で呼吸しているだけでは酸素が足りない。 朦朧とする頭をめぐるのは、多分大事で多分どうでもいい事。     
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