午後十一時

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午後十一時

設定:神様から転生して人間になった現社畜x兎から転生して人間になった人兎 月の兎です。変身はしません、あ、焚き火に飛び込んで身を焼いたあと、月に連れてってもらった方のウサギで、転生して人間の男になりました。 特別に一度だけ兎になる能力をもらったので、早速使ってます。 目の前には、その時の神様から転生した方がいるのです。 優しそうなサラリーマンです。 多分社畜です。だって今は午後十一時。雨降ってるのに傘もささず、スーツを着て素面でコンビニで弁当買ってるなんて、社畜以外ありえません。 「うさぎ?迷子?まさか野良うさぎ?」 首をかしげると、多分ひと月半くらい切ってない髪が額に張り付いている。 「濡れるよ、ウサギって濡れると死んじゃうだよ」 ぶつぶつ言いながら一人でテンパって、コンビニに飛び込んで傘を買って差してくれた。 「どっから来たのかなぁ、飼いうさぎなら心配してるよね」 仕事で疲れすぎて正常な判断ができないのか、ずっと独り言を話してるのが心配です。 『私です、あの時あなたが食べたウサギです、神様だと知っていたら、私たち獣を試してただけと知っていたら焚き火には飛び込みませんでした。それはいいとして、月にあげて毎年お団子をたくさん食べられるようにしてくれたお礼に参りました。さあ、私を家に連れて帰るのです』 うさぎになった俺の言葉は、人間に転生した神様には当然届かない。でも彼は動物好きのようで、かなり悩んだあと俺を片手に抱え、再び入ったコンビニでサラダを買って(多分俺の分だ)店員にうさぎを探してる人がいたら預かっていると伝えるように頼んで部屋に向かった。
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