午前十一時

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午前十一時

水曜日のランチダッシュ 水曜日、このフロアのランチタイムが11時―12時になる曜日だ。 近隣の飲食店の限定ランチメニューも水曜日なら確実、とみんな一斉に席を立つ。 だからこの時間フロアには誰もいない、はずだ。僕たち以外は。 待ち合わせ、というにはあまりにも変な場所。いつもの指定席である、物置の奥の、使う人が少ない男子トイレ個室に入る。 朝からちゃんと準備をしてきた僕は、これから会う人への期待で既にむずかる股間を持て余していた。 足音が近づく。 静かに開かれる扉。照明を背に受けて、逆光で顔が見えなくてもここにこうやってくるのはただ一人。 「待った?」 「おじ……、部長。いいえ、僕も来たところで」 僕を遮るように部長が片手をあげた。 「時間がないから、さぁ……」 便器越しに奥の壁に両手をついて、お尻を突き出した。 空調が効いているからお尻を丸出しにして、ワイシャツのボタンを後ろから外されたって平気だ。 部長の手がローションを擦り付けている間、ふと気づくと入社祝いにもらったネクタイが眼下で揺れていた。 ああ、外してくればよかった。 便器に付かないように慌てて口で咥えるのを見て、ふふっと後ろから笑う声が聞こえる。 ぬちぬちと音を立てながら、部長の指が僕の受け入れ口の柔らかいことを確認し、満足げに押し開げた。ひた、と太い先端が触れるのが分かる。 分かってる、きついのは最初だけ。 何度もやってるから分かってる。すぐに僕の自我が溶ける位気持ちよくなる、って。 でもこの瞬間だけは苦手だ。 「大事なネクタイだろ?落とすんじゃないよ」 言葉と同時に押しつけられた塊に身が竦む。 「!」 ネクタイを思わず噛みしめた。 尻肉を左右に押し広げながらためらいもなく推し進められ、ランチ前の空っぽの胃が押し上げられているみたいだ。 お腹空いたな、なんて思えるのは今だけだ。 部長は後ろから容赦なく肉をぶつけ始めた。筋肉の張った太腿と、柔らかい僕の尻が小気味いいリズムで当たる音がトイレに響いて、耳からも僕の下半身をとかしてゆく。
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