82人が本棚に入れています
本棚に追加
街の人達は寒さ対策をしている。男はスーツに身に着込んで女の人はカーディガンで寒さを凌いでいる。
時森家の街は戦争で壊された街を復興して来た。新しい街造りは順調に進み、人々に笑顔が戻った。
しばらく平和が続くと思ったが、また悪意が動き出そうとしていた。
「今日も終わりだね」
夕暮れ時、一人の白衣を着てその下に制服を着た少女が商店街を歩いていた。金色の髪が風で揺れた。
「おや、静ちゃん。もう、帰りかい?」
突然、人が少女に声を掛けた。
その人は時森家の領地に住んでいる街の人である。
「おじさん。ただいま、これから帰る所だよ」
「そうかい。礼司様に宜しくと伝えて置いてね」
「うん、いいよ。おじさんにはいつもお菓子を貰っているから」
「静ちゃん、これを持って行きなさい」
おじさんは袋を差し出した。
「ありがとう、おじさん。はあ~金属だ。でも、いいの……こんなに?」
「あぁ、良いよ。家の残り物ですまないが、静ちゃんに貰って欲しい。そして、凄い発明をして欲しい。そして、おじさんに出来た発明を見せておくれ」
袋の半分ぐらい入っている金属を嬉しそうに抱き締めていた。
「うん。出来たら、見せて上げるよ。これで、発明が進められるよ」
「そう、良かった。では、静ちゃん。楽しみにしているよ」
最初のコメントを投稿しよう!