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そして、おじさんは笑顔を見せ、行ってしまった。
「おじさん、ありがとう。さて、もう少し散歩してから帰るかな」
少女は商店街を歩いた。
十月十日、金曜日。何事もない平和な日。そして夜になり、星が綺麗に見えていた。
「流星群とは……違うのかな? 空から何か、落ちて来るような?」
少女は空を見上げて呟いた。
目を見開いて、見ると人だった。
そして、その人は少女に向かって落ちた。
もう夜だから周りには人はおらず、少女は落ちた人の下敷きになっている状態である。そして、少女は困っていた。
「……、ん?」
少女はその人を退かす為に必死だった。
「……うっ、重い。何で……人が……落ちて来るの?」
少女は戸惑いながらも人を退かし、仰向けにした。
顔を赤くしながら気付いた。
「男の子だ。……どうしよう、私」
静は唇を指でなぞりながら呟く。
「私、そそ……その人と、キキ、キスしちゃったよー!」
少年が空から降って来て、少女を下敷きにする寸前、口と口が重なりながら倒れたと言う訳である。
「大丈夫ですか……?」
静はその少年を介護するようにその少年の頭を自分の膝に置いた。
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