0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
イスリーダの樹木が生い茂る森の奥。
痛いほど眩しく照りつける日差しを浴びながら2人の剣士は、刃を交える。
アルスは、双剣を力強く振り下ろす。
『はぁぁぁぁあ!!』
ガキン!パキン!
コルセアが柔の動きで受け流す!!
パァン、きぃーぃん!
アルスの攻撃を受けきり反撃に移ろうとしたその時…
『そこまで!!』爆炎の炎が2人の間に割って入った。2人は、ビクッと驚いた表情をしたがすぐに普段の柔らかい目に戻った。それは、その炎が2人がよく知る炎だったからだ。…『やぁ。』『性がでるねぇ』
とクライドが言った。
コルセア『当然よ!!あんた達2人には、負けない!師匠にも今なら勝てるかも知れないしね!』
クライドは、鼻でフッと笑いながら首を横に振った。『それは、無い…俺たちが3人掛かりでも全く歯が立たないだろう』
コルセアは、クライドに鋭い眼光を向けて言い放った『なんであんたにそんな事がわかるのよ!師匠との手合わせでも何度も勝ってるんだからね!』
クライドは、少し微笑んで昔の話を始めた…
『はぁはぁ…くぅ。なんなんだこの魔獣は…なんて強さなんだ…』
若かりしクライドは、イスリーダの街から少し離れた荒野でその魔獣と闘っていた。
鋭い爪の連打がクライドを襲う。
『グゥ!?がはぁ』
魔獣が強大な魔力を纏い大きな牙でクライドに襲いかかる…『こ、ここまでか』
クライドが諦めて目を閉じた瞬間…
『炎断剣』その言葉と共に魔獣の叫びに似た悲鳴がこだまする。
『ボウズ大丈夫か?まぁ、大丈夫じゃねぇよな。ちょっと待ってろ。この犬っころを追っ払ってやるよ』
そう言うとその赤いマントに大剣を持った男が気を貯め始めた…『はぁぁぁぁあ!』『良し…行くぜ犬っころ』
すると大剣は、炎を纏いやがて爆炎にも似た熱量を放ち出した。『クリムゾンドライブ!!』
爆炎が魔獣を包み込む。
『ギィギャァァァァァア』ズドンと大きな音を立てて魔獣が崩れて行く。
その姿を見たクライドは、驚いた表情をしたが、緊張の糸が切れたのか気を失った
『あ、お、おいボウズ!大丈夫か!?おーーい!』
続く…
最初のコメントを投稿しよう!