第一話「スピルの場合」

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そこには、今までとは比べ物にならないほど頑丈そうな扉が閉まっていた。 「さあスピル、お入りなさい。」 何重にも閉じられていた扉が、次々に開いていく。 最後のひとつが開いたと同時に、眩しいまでの光に包まれた。 ようやく目を開けた時には、目の前にゾハルが『いた』。 「これが…ゾハルさん…?」 「そうです。これが本当の私。驚きましたか?」 そこには人ではなく、金色に輝く石版が浮かんでいた。 「私は本来、この宇宙を律するために作られた量子コンピュータなのです。今はその余剰エネルギーを使ってシェルターの管理をしています。」 「…ごめんなさい、僕にはあまりわからないや。」 するとゾハルは、僕に『微笑んだ』。 「大丈夫。すぐに分かります。さあ、私に触れてください。」 「ゾハルさん…。」 僕は、導かれるままにゾハルに触れた…。
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