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「そうじゃない。ただ、この実験が正しい事なのか、間違っているのか。君にも見定めて欲しいんだ。」
「わかったわ。そういう事なら見届けてあげる。私はいつだってあなたの味方よ、ルーカス。」
「ありがとう、ヘレン。」
そう言うと、彼は実験を始めた。
実験の内容は、想像以上に残酷なものだった。
人型兵器アイオーン、人工知能を搭載したそれに『人の脳』を直接繋げるというものだ。
「こうすることで、人工知能を遥かに上回るスペックの人型兵器が作れる。それに…。」
「それに?」
「形を変えて、人が永遠の命を手に入れる事ができるんだ。」
「まさに、知恵の実と生命の実を口にするという訳ね…。」
「ただ…僕は納得していない。こんな形で人が、意識が繋がっていける訳がないんだ。」
「ルーカス…。」
「それでも僕はこの実験を成功させなければならない。僕が求める本当の救済はその先にあるから。」
実験場には一機のアイオーンと、一人の少年が現れた。
「彼は…?」
「これからアイオーンに搭載される、孤児だよ。」
「そう…。」
─アーネンエルベが孤児を抱える理由、そのひとつがこれなのね。
ルーカスは、実験場に向かって話し始めた。
「君はスピル・キューブリックだね?」
少年は頷いた。
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