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「あの老害共に何がわかる…誰も僕の計画に見向きもしない!人類を至高の存在へと変換し、この星を捨て、新たな大地へと旅立つこの計画が!」
僕はゾハルのコントロールルームへ駆け出した。
「ゾハル、お前がただの量子コンピュータではないことくらいわかる。そして、あの少年が…スピルが同調した事もな。」
「ご存知だったのですね…。」
「僕にとっては好都合だ。ゾハルは同調者がいなければその力を発揮できない、ただのコンピュータだ。だが今は違う。そこにいるのだろう?出てこい、スピル!」
すると物陰からスピルが現れた。
「僕は…ゾハルさんと友達になったんだ。」
「友達か。それはただのお友達じゃない。僕の想像をも超えるエネルギー発生器だ。そのエネルギーを使って、人類を至高の存在へと変換する。」
「よくわからないよ…。でも、僕が望んだ事はゾハルさんが叶えてくれるんだ。」
「なるほど…ゾハルの起動キーはスピルという訳か。ならばこうしてくれる!」
僕はスピルの首を締め上げた。
「がはっ…!何…をする…の…!」
「どうだ、死にたくないか?生きていたいか?ならば望め!ゾハルにその意志を伝えろ!」
「僕は…死にたく…ない…っ!!」
ゾハルは眩しいまでに光り輝き、その力を解放した。
僕とスピルの意思がゾハルを通じ、この星を覆っていく。
「これでいい…。全人類の意識を、ひとつに…。」
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