走れ17歳女子

ユートピアパラノイア

ーー世界の片隅で。

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心吾は明花にお願いをした。

『俺がゾンビになったら殺すこと、そうすれば瀬戸、俺はお前のモノだろう？』

悲しげに笑った彼の微笑みは今は遠い。

マッドサイエンティストは宣言通りユートピアと言うBC兵器をばらまき、世界人類はみんなゾンビになったらしい。

ゾンビと言っても、マッドサイエンティストが言った通り、魂が抜けたみたいにみんな静かに眠って動かない状態なのだ。

静寂に包まれた世界で私は約束を破り、彼の体を生きたまま(？)手に入れた。

便利なショッピングモールの家具売り場のベッドに彼を横たえて、私は街をさ迷う。

生きて死ぬまで彼を自分だけのモノにするために。