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その日の授業は正直、半分上の空だった。
それは夜、誰もいないアパートへ帰っても変わらず
目を閉じれば鮮明にあの姿が映画のワンシーンのように放映されるのだ。
明日の予定はまるで無かった。
バイトも無ければ授業もサークルも無い。
きっと昨日までの翔悟なら
明日は家から出ず寝て過ごそうとしていたが
今の翔悟にはまたあのサイクリングロードへ行くという選択肢しか浮かばなかった。
もちろん、彼女がいる保証など無い。
言ってしまえばあれは幻想だったかも知れない。
だが気になるのだから仕方がない。
行くしかないのだ。
いなかったらいなかったで
それはそれでいいと翔悟は思った。
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