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ガタン!
「藤咲!大丈夫か!?」
華はイスから落ちてしまった。
一年間、毎日のように告白しても毎回振られてたのに…ここにきて真先生から告白されるとは。
急な展開に頭が追いつかない。
「イスから落ちるほど驚くか?」
真先生は移動して、床に座り込んだままの華の前にしゃがんだ。
「だ、だ、だって…」
「ははっ、落ち着いて」
言葉にならず慌てる華を真先生は笑ってなだめようとする。けれど動転してしまった華はますます焦るだけだ。
「せ、先生は」
「うん」
「私のこと、す、好きでもなんでもないのかと思ってて…」
「そー見えるよな…あんな返事じゃ」
真先生は少し視線を逸らして、照れた様子で頬をかく。
「もし、俺が藤咲の告白に応えたら犯罪になるだろ?」
女子校生と男性教員。少女マンガでよくありそうな展開ではあるが、現実社会で男性教員が手を出したら、それは犯罪行為とみなされる。
これは初めて華が告白したときに言われたことでもあった。
「そ、そうだけど…」
「それに毎日かわいい告白を聞いて『俺も好きだよ』って言えなかった俺の忍耐力を褒めてほしいくらいだよ」
「先生、告白信じてくれてたの!?」
「えっ嘘だったのか!?」
まいったな…そう言って真先生は頭を抱え、何事かをブツブツと呟く。
「まぁたしかにー、28なんて十代からしたらおっさんなんだろけど…」
俺、本気で告白しちゃったよ
先生の言葉に華は再び真っ赤になる。
「わ、私も」
「ん?」
「いつも、か、軽く流されるから本気だって…思われてない…のかなって…」
「そんなことないよ!」
真先生は華の目をじっと見つめる。その表情は真剣そのものだった。
「これ言ったらヘンタイっぽいけど、俺、華ちゃんが告白してくるより前から好きだったから!」
真剣な先生の吸い込まれるような瞳に華は魅せられる。
「一年生で初めて授業を持ったときからこの子カワイイなって思ってたんだよ?けど、そんなこと言ったらマジ、セクハラで訴えられるだろ?華ちゃんも一生懸命授業聞いてくれて、成績が徐々に上がっていくのが教師としてもすごく嬉しかったし、三年生になって俺が担任に決まって、『マジ、運命じゃん!』って思った」
それは華も同じだった。一目見た瞬間から真先生に恋をして、もう先生以外の相手なんて考えられなくなった。そこに10歳の年の差なんてなんの障害にもならない。
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