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「時間は有限とは言うが、どう考えても俺たちには時間がありすぎる。そうは思わないか?」
暇を弄びすぎた俺は友人に問うてみる。
「お前は暇なんだな。」
もっと言葉をオブラートに包むとかなんかないの?
「包容力を持てよ。」
わけのわからないところで口を開けたせいか、彼は返事を出せずに俺の夜行性でコストパフォーマンスもといカロリー重視の暴飲暴食の限りを積み重ね、そして誕生した腹をつまむ。
「包容力っていうのはお前を包んでいるこれか?」
こいつは俺と漫才でもするつもりか?だいたい乗り気なのは片方でもう一方は引っ張られるまま始めるというのはだいたいのコンビのきっかけのようはするが。
まあ、話を続ける。
「例えばいつもより五分早く家を出たとする。目的地に向かうには待ち時間の長い信号があったりする。」
「あるある。開かずの踏切とか、あれはどうにかならんのか。」
「それらはいつも通りの時間に出ると全く引っ掛からないのだが、5分早く出たばかりに引っ掛かり続ける。」
「引っ掛からないように毎日改善を尽くしている俺の考えた最強の登校の話か?昔見た教育番組でやっていてなあ。」
「そんで結局学校に着くのはいつも通りなんだ。これは5分早く出たくせに5分のアドバンテージを活かせていないとはいえないだろうか?」
青天の霹靂、寝耳に水、足元から煙が出る、藪から棒、窓から槍etc…といった表情は全く見せず、俺の暇を弄びすぎて出した「有益な人生を過ごすための時間論」はこうして世界に革命をもたらすわけでもなく、もちろん自己啓発書としての出版依頼も来ずに潰えた。
ただただ誰しもが経験をする宇宙ってなんなんだろう…って考えだして昨日の夜は眠れなかったよ~のクソつまらない世間話と同レベルになってしまった。
「俺の時間論をお前らの狭い宇宙と一緒に並べるなよ…。」
「だから俺は7時47分ピッタリに家を出るんだ。」
「「お前は人の話を聞けよ!!!!」」
別に同時に言わんでも、そもそもこの話を始めたのは俺では?
「今の台詞は聞いてたよ。」
適当に返事をして場を和ます。
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