蛇の執念

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 あの忌まわしい出来事から、現在は数十年の年月が経っている。もはやあの売家は取り壊されて、隣の空き地と共に大きなマンションになってしまった。わたしを救ってくれた老僧も、すでにこの世にいないだろう。  それでもわたしは、今でも悪夢を見る。あの忌まわしいカーテンの前に立たされて、ぽっかりと開いた穴を見つめさせられるのだ。だが、その回数はだいぶ減り、年に一二度あるか無いかになっている。                                      終わり
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