生活保護にまつわるエトセトラ

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「私には分かる。あなた、そんなだから社会でやって行けなくて生活保護を受けるのよ。 ちゃんとなさい」 これはワタシが、実際に言われた言葉です。 生活保護の申請が終わり、認可が下りると(名称は忘れましたが)民間人のお金持ちに生活チェックを受けさせられます。 受給理由が書かれた紙を封筒に入れ、自らそのお金持ちさんのお宅訪問です。 高齢で歩くのが辛いだとか、手術後で身体が消耗してるとか、受給者の状態は殆ど考慮されません。 この際、ワタシは放射線治療がやっと終わり、待った無しの免許証更新講習を受けた帰り。 退院から3カ月ほどしか経過していなかった頃。 約束した訪問時間から、30分くらい遅刻してしまった訳ですね。 まだ右胸を失ったショックが覚めやらぬ中、通院が無い土日だけ。週2日で働いていました。 当然、心身共に極度の疲労状態です。 30分歩くだけでも辛いのに、電話で聞いた目印から思った以上に遠いお宅でした。 ワタシは瀕死の落ち武者のように、ボーっとして見えたんでしょう。 笑顔もすっかり枯れ果てています。 そして、そのお金持ちのお婆さんも、どうやら地域の活動を活発にされておられる方のようで。 恐らく、忙しかったのでしょう。 「時間を約束したら、私は何も予定を入れずに待っていたのよ。それなのに」 の後に、冒頭のセリフを言われた訳ですね。 この段階では、ワタシが何故生活保護を受給するのか、彼女は理由を知りません。 理由が書かれた封筒を持って訪問した訳ですから。 遅刻は間違いなく、また確かにお急ぎの彼女の時間を無駄に潰してしまったのでしょう。 お待たせしたのは、本当に申し訳ないと思います。 確かにワタシでもイラッとするかも知れません。 しかしながら、何故民生委員(確かこんな名称じゃなかったか)まで務めて、受給者を沢山見ている筈の彼女が、全くの初対面のワタシにこんな事を言うのか理解に苦しみます。 勿論「待たせんじゃないわよ!」と単に怒られたのなら分かります。 本当に申し訳ない。 初めて行く場所なのに、つい近所だからと時間の目算が甘くなったのは認めます。 免許証更新手続きで時間が押す可能性も考慮するべきでしたし、いくらご自宅とは言え社会人なら遅れる旨を電話連絡を入れて然るべきでした。 しかしながら「だから生活保護を受けることになった」では理解に苦しみます。
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