ヒッチハイク的人生論

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「熊出没注意」の設置看板が道路脇に立ち並ぶ、背の高い真夏の広葉樹が鬱蒼と茂ったアスファルトの舗装道路。 クマと言っても、本州のツキノワグマとは違う、出るとしたら体重200キロにもなるというヒグマです。 出会えば確定で死亡フラグ。 そんな道をてくてく一人歩き続けると、山の頂上付近で木がドンドン少なくなっていきます。 まるでハゲ山。 道路はその頂上辺りで、最後はリング状に丸まって終わっているようでした。 そこで行き止まり。 もう呆然です。 だってさ。普通は思わないよね。 舗装された道路の先が、行き止まりとか。 工事中とかなら分かるけど、全く拡張する気も無さそうな環状ヘアピンカーブで終わりって。 どうも、前は木材を伐採する場所だったよう。 木材運搬の目的で、アスファルトの道路が作られたのでしょう。 森林を伐採し尽くした今、タグの付いたヒョロヒョロに若い移植樹木が生えているだけのハゲ山になってしまったようでした。 当然、通行する車もありません。 そんな道を一人てくてく歩いているワタシを見かけ、ドライバーさんが声を掛けてくれたよう。 よくこのタイミングで、こんな場所を通行する車があったものです。 奇跡的な偶然ですね。 もう夏なので、フキは成長しまくった後。 普通なら、固くなり食べられないフキばかりなので、わざわざ車で取りに来ようなんて気も起きないこの時期。九死に一生を得た気分です。
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