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でも当時。まだ三十代前半だったでしょうか。
その若さで、ワタシは人生について1つ大事なことを学んだ気がしました。
この世には、どれだけ進んでも何処にも到達しない道路が稀に存在するということ。
ワタシが子どもの頃、丁度世間は「超学歴社会」でした。
恐らくワタシと同世代の人は、親から「うんと勉強して良い学校に入れば、その後は人生安泰」
「良い学校に入れば、良い会社に就職出来て、良い出会いに繋がって、良い相手と結婚出来る。そういう組み合わせなら、子どもも優秀な遺伝子を持っているから一生安泰」
「だから子どもの頃は、ちょっと我慢してでも一杯お勉強して良い成績を取るのよ」
と、繰り返し教えられ育った方も多いでしょう。
幸いワタシは被虐待児で、勉強なんてしてるヒマは皆無だったんですが。
アレを信じて、子ども時代の楽しい思い出と引き換えに、勉強ばかりしていた子どもは、今幸せになれたのかな、と時々思います。
ワタシが丁度、高校を卒業するくらいの頃にバブルは崩壊。
良い大学を出ても、超絶な就職難。
おまけに未曾有の結婚難になりました。
ワタシは今も小説家志望ですし、今もそれなりにずっと努力はしてるつもりですが、それでも願えば絶対叶う訳じゃない。
誰でもそうだと思う。
何処にも到達出来ない── ハッキリ言えば、最後まで無駄にしかならない努力というのも、確実に存在するんです。
だけど、それが自分の望みなら。
未来に夢を描いて、希望を持つのは素敵なことじゃないかなと思います。
仲間と一緒に夢を描いて歩いてきた道なら、結果はどうあれ「その時間自体」に価値がある。
そう思うのです。
でも。
他人は悪気もなく「○○するのが、一番あなたにとっては良いことなのよ」と、時々言ってきます。
言った後に、どんな結果でも責任なんか取れないくせに。
病気で療養してるのに
「なんでキチンと生活出来ないの?」
「本人の努力が足りないんじゃないの?」
「病気を理由に、怠けてるんじゃないの?」
と言われ、理解して貰おうと説明しようとすると
「ネガティブ・トーク、キター! 逃げろ~。
ヤダー、暗くなる話しないでね~」
と逃げられ。
もういいや……なんでもワタシが全部完璧にやればいいのね、と半泣きで無理して。
結果、倒れても、目が覚めたら一人きり。
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