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【あり得ない】と言う名の【あり得ない】憂鬱
告知が終わり、検査が終わると、いよいよ具体的な治療方針と大まかなスケジュールが決まります。
ワタシの場合は、ステージ2。
リンパ転移が疑われたものの、幸い他の臓器への転移はなく
・右胸の部分切除手術
・退院後から、放射線治療(週5で1カ月ちょっと。継続必須)
・この頃から、女性ホルモンブロック剤を使用したホルモン治療(年単位で継続)
・再発が無いか、数ヶ月に一度検査
と言うスケジュール。
まさに病院まみれの日程。消毒薬の匂いも染み付いて取れなくなるってモンです。
健康体なら、仕事の合間にやっても何とかこなせる量ですが、疲労と副作用、更に職場環境を無理やり変えさせられたり、生活保護の申請や面談をしながらのスケジュール。
かなりグロッキーです。
名も無き家事どころか、名も無き消耗。
一つ一つは大したことない負担ですが、逆に大したこと無い分本人の自覚が遅れます。
消耗しているのは分かっているのですが、手術の直後から一日でいきなり動けなくなるため、どうしても今迄の健康体ベースで考えてしまい【消耗した自分】に慣れるまで、結構な時間がかかりますね。
ついつい周囲に言い出せないまま、気づくと誰にも助けを求められない状況まで悪化してしまう……年単位で重なって続くと、これが中々の破壊力。
人によるかも知れませんが、退院からの5年は本人も家族にとってもホント勝負の時期。
それを見越した上で治療の方針を学び、必要な情報が殆ど無い中で、この時期は様々な決断を迫られることになります。
── まず、この時期ですが。
まずステージが確定して、実際の手術入院が始まる前。
セカンドオピニオンを考えているなら、実質利用出来るのはこの時期くらいではないかと思います。
気づいたら胸にコロコロがあり、真っ青になって受診、やはりガン告知と……。
異常事態が続き、ついそのまま同じ病院でとなりがちですが。
この後数年、通院が頻繁に続きます。
勿論webや書店で時々見るような、ガンは切らずに治るとか、有機野菜を食ってりゃ一生ガンにならないとか、医療不信から見極めよ、と言う意味ではありません。
治療方針は明確にガイドラインがあり「標準治療」と言う名が付いています。
へんな病院でなければ、何処の病院でもほぼ同じ治療方針が示されると思いますね。
ただ、どうしても人と人。
患者である自分が信じられるお医者さんと、そうでないお医者さんが居ます。
これはもう相性と言って良いので、あまりにも相性が悪いお医者さんに当たってしまった場合、その後何年もツライ思いをしないといけなくなります。
特に乳ガンは治療も長いですし、年代的にも様々な悩みやスケジュールも多い中でなので、どうしても合わないと感じた場合、セカンドオピニオン利用を検討した方が、結果的にお互いのためになるかと思います。
勿論コレは、病人だから完璧にワタシを労わって、と言う意味ではありませんよ!
ワタシの場合は、結果的に信頼出来るお医者さんと出会えましたが。
もしツライ場合。
まずセカンドの病院に診察を打診し、OKなら今の主治医の先生か病院に、制度を利用したいと打診します。
セカンドオピニオン可能となったら、今の主治医さんに病状が書かれた紙を貰い、それを持ってセカンド医院に行きます。
セカンドオピニオンは患者の正当な権利ですので、無理するくらいなら良く調べて一度打診してみるのも良いかと言いますよ。
転院するかしないかは、確か本人が決めて良い筈なので。
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