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ロスの自宅に着いたのは夕方頃だった。
家の前でウィリアムと別れ、ジュディスは家へ帰った。
「ただいま」ジュディスは玄関のドアを開けると自分が帰った事を知らせた。
その言葉にリビングからデイビッドがやって来た。
「ジュディ、おかえり」
彼は無地のカッターシャツにジーパンというラフな格好だった、恐らくソファーでごろ寝しながらテレビでも観ていたのだろう。
「ママは?」
「仕事さ、夜まで帰って来ないから今夜はデリバリーで済まそう」
ジュディスは頷くと荷物を自分の部屋に置きに2階へと上がった。
荷物を部屋に置き再び下の階へ戻るとリビングへとやって来た。
デイビッドはソファーに座りながらテレビを観ていた。
ジュディスは目の前にいるデイビッドがいつもの彼とは違って見えた..それは彼の過去を知ってしまったからなのだろうか?
「どうしたんだ?ジュディ、突っ立ったまま。パパとテレビでも観るかい?」
デイビッドは笑みを浮かべると自分の横のスペースをぽんぽんと叩き、彼女を招いた。
ジュディスは自然に彼の隣に座り、ソファーの背にもたれた。
デイビッドはジュディスに優しくキスをした..
「ジュディ..どうしたんだ?今日はやけに素直だな」
彼女は無言で彼の瞳を見ていた、その瞳はやはりレイチェルの瞳とそっくりだった。
「土日いないだけでこんなに寂しくなるんだ..でも約束だから仕方ないな」
デイビッドは彼女の首筋に舌を這わせ、そのまま鎖骨辺りまで舌で愛撫しながらキスをした。
彼の右手は服の中へ潜り込み、彼女のブラジャーのホックを軽々と外した。
服を捲り上げると彼女の美しいバストが露わになった..デイビッドはその手に余る程の膨らみを手や舌で愛撫した。
その間ジュディスはずっと彼に身を委ねていた..彼女はあんなに嫌だったデイビッドからの性的な事も不思議と我慢できた..寧ろ嫌では無かったのだ。
あの雷での一件や彼の過去を知って、ジュディスは彼の本当の優しさやデイビッドの人間性を歪めてしまった原因に少なからず彼の悪魔的なイメージが薄らぎ、本当は可哀想な一人の人間なんだと思ったからだった。
自分にした事は許せる筈は無かったが、デイビッドは心に傷を負った自分と同じ人間なのだ。
どこか二人は共鳴していた...
「ジュディ、愛してるよ..」
事が終わりデイビッドが彼女の耳元で囁く..
ジュディスは何も言わなかったが、ただ彼の瞳を見つめた。
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