第3章 夏がきて……。(2)

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「貴方、生意気ね。 誰に向かって物を言っているのか、分かってるのかしら?」 モニカ様は問い掛けながら、頭を下げているバロンを見降ろしていた。 その表情に勿論反省の色はなく、完全に彼を格下に見ていて変わる様子はない。 だが……。 バロンの誠実な言葉も気持ちも、モニカ様には届かない。 彼女の態度に、誰もがそう思った時。 「誰か、この無礼者を……」 そう口を開いたモニカ様にバロンは下げていた頭を上げると、片手で持っていた銀盆を彼女に差し出して、それを覆っている蓋を開けた。 「!……これ。……」 銀盆に乗っていた品物を見て、モニカ様は驚く。 それは決して大きく豪華ではないけれど、綺麗に飾り付けされた苺のケーキだった。 目の前に差し出されたケーキに目を丸くするモニカ様を見て、バロンは微笑むとこう言った。
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