第1章 出逢い(2)

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でも、それが私の素直な気持ち。 ありのままの心から出た、言葉だった。 「わ、私の住んでる所すぐそこなの! 部屋にお風呂が付いてるから、一緒に行こうよ!」 恥じらいよりも、何よりも、怖かったのは彼に断られる事。 これで”さよなら”になる事。 「……。でも……。 君にそこまで迷惑かけちゃ……」 「いいの!いいの! 私がそうしたいだけだからっ……。ね?」 拒絶されないよう、ただ必死だった。 彼の言葉を遮る強引さを見せながらも、心臓は爆発寸前。 独りになりたくない。 背を向けたまま、自分で自分の手を握り締めて、祈るような気持ちで彼の返事を待った。 多分、十秒ほどだった沈黙の時。 「……じゃあ。 お言葉に、甘えようかな」 「!……」 息が止まりそうな位に緊張した時間という鎖が、彼のその一言で解かれる。
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