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「れんかぁ~」
知己さんが見えなくなると、美和が少しにやにや笑いながら、抱き着いてきた。
「美和、暑い…」
「恋華さーん、今の人誰―?」
「…ここの店主で、みづにぃの友達」
私は『瀧河古書堂』の看板を指しながら言った。
「で、それだけ…?」
それだっけって、他に何があるのだ。
「そうだよ、昨日知り合ったばっか」
「それで、恋華さんは、一目ぼれしたわけですか…」
「えっ…?」
「恋華さんが、遂に恋を再開…!」
嬉しそうに言う美和。
私がまた恋をした…?
きつい冗談は、やめて欲しい。そんなことあるわけがない。
「美和…」
私の低いトーンに美和は我に返った。
「ごめん、蓮華…」
美和は申し訳なさそうな顔をする。
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