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美和と別れ、家に戻ると時計の針は10時を指していた。だが家にはまだ灯りがともっていなかった。
まだ誰も帰っていないのかと思いながら、私は電気をつけ、そのままリビングのソファに倒れこんだ。
今日はあの後カフェとカラオケに行き、久々に遊びつくしたから、体がくたくただ。その上最後は美和の家で夕飯までごちそうになってしまった。だからこうして、何もせずに寝転んでいられるのだ。
恋が始まるのは、誰にも止められない、か…。
無意識のうちに、昼間の美和の言葉が頭の中で繰り返される。
私が恋をしたくなくても、恋は私の意志とは関係なしに始まるって言いたいのか…。
普段の私なら、きっと上手く言い返せただろう。あるいは怒ったかもしれない。ただ今日は美和の真剣な目を見たら何も言えなくなってしまった。美和の揺らぐことのない瞳の光が、それが絶対的な真実だと告げているようだった。
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