第2章 さなぎは美しく蝶と化す

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「ただいまー!」 ドアを開ける音と共に、玄関からあいねぇの声がした。時計の針は11時20分を示している。 「おかえりなさいー」 私がそう言いながら、ソファーから体を起こした。 「ただいまー!!」 よほど上機嫌なのか、あいねぇは弾んだ声で2回も言ってきた。 「…そして、おやすみー」 「えっ?!」 あいねぇはさっきまで私がいたソファーに倒れこみ、寝てしまった。 頬が赤く染まっている。恐らく少しよっているのだろう。 だけどそんな真っ赤なほっぺたも、あいねぇの可愛らしさをます効果を放っていた。 デートだからと気合いを入れたのであろう、パステルカラーのワンピースは、袖は花を編み込んだレースである。それはあいねぇによく似合っていて、あいねぇの魅力を最大限に引き出していた。
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