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「入るよー」
声をかけてみるが、返事はない。ベットの上には大きく丸まったタオルケットがある。間違いなく、その中心にいるのがあいねぇだ。動いた音がしたから起きたと思ったが、ただの寝返りだったようだ。
「勝手に探すよー」
そう言いつつも、特に探す場所もない。あいねぇの部屋はとてもきれいで、余分なものが出しっぱなしになっていたりはしない。
念のために、机の下や棚と棚の隙間も見てみるが、やはり何一つ落ちていない。
「あいねぇ、私の眼鏡、どこ?」
声をかけてみるものの、全くの不反応。
何度も部屋の隅々まで探してみるが、やっぱり見つからない。
ふと顔をあげると、時計が目に入った。
7時50分。
もう家を出ないと間に合わない時刻である。
私は眼鏡をあきらめ、家を出た。
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