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「すみません、寝坊しました」
適当な言い訳をしながら、教室に入る。
クラスメイトの視線が一斉に私に集まる。
「あれ、ねぇ、あの子…」
「まじか」
教室が静かに騒めきだす。
最悪だ。私はいつもなるべく教室の隅にいたい人間である。だからこんなに注目されるのは苦手だ。
眼鏡は見つからないし、教室で目立ってしまう。今日は何てついていない日なんだろうか。
先生と一言二言かわしたあと、私は席に向かった。みんなの視線が背中についてくる。若干怖い。
席に座るとき、その中でもより強い視線を背後から感じた。視線をそっと後ろへ向ける。
あいつだ。
私に7年前トラウマを植えつけたあいつである。
あいつは開いた口がふさがらないと言わんばかりに、大きく口を開け、間抜け面でこちらを見てた。
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