episode 01 美和

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「あっ、起きたか」 そう言ってカーテンを開けたのは、あいつだった。 「な、なんで、あんたが…」 「悪い、お前が俺のこと嫌いなのは知っている。あの日が原因なのもわかってる」 あいつは早口で続けた。 「ただ倒れたやつ、ほっとけないだろ?」 苦笑いをする。どうやら倒れたあたしを運んでくれたらしかった。 「園田さーん、病院行くわよー」 保健の先生がやって来た。困惑顔のあたしを見て、 「意識を失ったんだから、重度の熱中症だよ。先生は園田を連れていく車を用意してたんだ」 と教えてくれた。 あたしは先生に支えられて出口の方へ歩き出した。 「あ、黒木。ありがとう」 いくら恋華の敵とは言え、礼は言うべきだろう。そう思って振り替えると、あいつは驚いた顔をしていた。 「どういたしまして」 あいつは笑って返した。
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