第3章 恋と知りて踏み出す歩み

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鏡の前で、足を止める。そして自分の姿を確認した。最近は以前の倍以上、私は鏡の前に立つ時間をとっている。 急いで走っていたら、前髪は風で舞い上がっていた。後ろ髪もシュシュがゆるみ、少しほつれている。 私は素早く髪を整え、結い直した。 今までの私なら、結び直したところで何も変わらないと、そのままにしていただろう。 だが今の私は、違う。 もともと昔は、お洒落好きだった。だが私がお洒落することが周りから名前負け、滑稽だとされたから、やめたのだ。 一方今はあづたちを始め、多くの人がこちらの方がいいと言ってくれる。 だから私は無理に地味に、日陰で生きようとする自分から卒業出来た。そして本来の私に戻って、そくしていろいろなヘアアレンジを楽しめているのだ。
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