第3章 恋と知りて踏み出す歩み

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髪を整え終えると、私はまた急いで昇降口へと向かった。 「美和ー!おまたせ!」 私の声に気づいた美和は顔をあげ、軽く手を挙げて笑った。 どうやら美和は、私が来るまで英単語の勉強をしていたらしい。美和の手元にはしっかりと、まだあまり使いこまれていない英単語帳が握られていた。 「おっ、しっかり英語の勉強してしいるね!」 「んー、中間考査赤点だったから、期末頑張らないと、夏休みに補講なんだよね…」 美和は高校にスポーツ推薦で入学できるほど、運動能力も高いし、人柄もいい。人望も厚い。 ただ1つだけ弱点がある。それは勉強だ。去年は学年末考査を留年ギリギリでパスし、今年も最初の試験から、点数が赤い答案が3つ4つ発生していた。
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