第3章 恋と知りて踏み出す歩み

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と言いつつも、彼女は決して馬鹿ではない。やればできるタイプである。 ただ美和は自らなかなか勉強しようとしない。そう美和は恐ろしく勉強が嫌いなのだ。それを証拠に、美和が持っている単語帳は進級して3ヵ月も経ったとは思えないほど、新品同様な状態を保っていた。 「まあ、私と一緒にテスト勉強すれば、美和も勉強するでしょ」 私は少し落ち込んだ表情の美和に、明るくそう声をかけた。 「恋華様、ぜひ我が家にお越しください。私めと共に一緒に勉強してくださいまし」 「んー、よかろう」 深々と頭を下げ古風な口調で言う美和に、私も同様に返してみた。 「…」 「…」 頭をあげた美和と目があう。その瞬間2人とも、何とも言えない間と会話のおかしさに吹き出してしまった。
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