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「もうすぐ南の魔王の城に着くのね。セバス、島に着いてからの進路を説明して」
「了解しました。南の魔王の城は、島の中心部にあります。小さな島なので、すぐに辿り着けるでしょう。ですが、簡単には入れないようですね。ここからはキタノ様に説明して頂きます」
「弟の城は側近の魔法使いによって、特殊な結界に守られている。ジャバウォックの魔法書で作り出した結界ゆえ、我とて破る事はできぬのだ。城に入る方法は一つ。城へと繋がっている魔物の回廊を進むしか無い」
声は重く、神妙に話す魔王の雰囲気が緊張感を走らせる。しかし、その雰囲気を醸し出してるのは船酔いしてるからだと誰も気づかない。
「魔物の回廊は弟直属の魔物が多く徘徊している為、簡単には抜けられぬだろう。それ以前に、入ることすら難しい。何故かと言うと、回廊の入り口には最強の門番がいるのだ。果たして、我と執事が共闘しても勝てるかどうか……」
「考えても無駄ね。魔物の回廊へ行くとだけ分かれば十分だわ。今の内に準備しておきましょう」
アリスの指示で、それぞれが最終決戦の準備を始めた。
南の魔王の城に、勇者でも何でもないパーティーが迫る。
そのパーティーの内訳は、姫、執事、北の魔王、武器屋、メルヘン魔法使い、アイドルを目指す幼女と、意味の分からないメンバーだった。
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