南の魔王をぶっ飛ばせ!

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「ルカにプロポーズするということは、私やヘイヤじゃ無理ね。ハッタ、セバス、キタノの誰かが……」 「俺は嫌だぜ。まだ子供なんだぞ。プロポーズなんて想像つかないよ」 「我も嫌だ。そもそも、キュンさせるという意味が分からぬ」 当然のことながら、ハッタと魔王は嫌がっている。 「私が参りましょうか?」 「セバスはダメよ。あなたはゲームを見て、傾向と対策を考えて貰うわ。というわけで……逝きなさい、ハッタ」 「俺かよ!」 ゲームに失敗する前提の、鉄砲玉扱いだ。いつもならヘイヤの出番なのだが、この状況では仕方が無い。ハッタに逝ってもらおう。 「何をしていいのか分からないのに、どうすればいいんだよ」 「任せなさい。ヘイヤ、母性本能をくすぐるような、可愛らしい花を用意して」 「分かった」 ヘイヤから小さくて可愛らしい花を渡され、アリスに耳打ちされる。 「まずは……それから……」 「本当に大丈夫なのか?」 「完璧だわ。絶対にキュンとする。後は、あなたの芝居でどれくらい満足させられるかね。こればっかりは、やってみないと分からない。言葉は多くいらないわ。初々しさを態度で示しなさい」 もう逃げられない。ハッタは覚悟を決め、素っ気ない態度で花を差し出した。 「やるよ。なあ、俺と一緒になってくれないか? えっと、その……頼りないかも知れないけど……守りたいんだ」 …… …… ルカはキュンキュンしている。 そっぽを向いて、照れ臭そうにしているハッタ。大人の女性を口説く子供の初々しさを見事に表現していた。勿論、芝居では無く本当に恥ずかしいのだろうけど。 しかし、ルカは花を受け取らない。
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